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バングラディシュ出身の新卒が、独学でAIカメラのシステムを構築

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「自分が頑張った結果、仕組みがうまく動いた時が一番やりがいを感じる」という新卒のラセルさん。お客様の希望を聞いて、どうしたら実現できるかという事に寄り添い、実現してあげられるエンジニアを目指しています。

 今年度シーエスコミュニケーションに入社した、バングラデシュ出身のラセル・イムディさんは、役員の直下でAIソリューションの開発業務に関わり、独学でPythonやApacheを学び、AIカメラを使ってWebブラウザ上で映像検出ができるシステムを作りました。

 入社して半年という立場でありながら、今まで先輩社員が経験したことがない領域を率先して進めてくれています。

 今回はそんな難しい環境で活躍しているラセルさんに、どのように仕事に取り組んでいるのかお話を伺いました。

■AIカメラを使った映像検知の仕組みをほぼ独学で構築

 IT事業部システム開発課に所属するラセル・イムディさんは、今年の8月ころからAIソリューションの開発に関わる業務に従事しています。

 画像認識や物体検出、動きの検出などを行うところからAIの仕組みに触れ、Webブラウザ上で防犯用AIカメラの映像検出ができる仕組みを作り上げました。

 Webカメラの前に人が立つと、AIが画像内のピクセルのRGB数値や形状を元に、人である事を検知し、その時間の映像をサーバ上に保存し、Web上で該当するタイミングの映像を呼び出して確認することができるというものです。 

 今まで防犯用の監視カメラは、被害が起きてから映像を見返して犯人を特定するなど、事後の使い方しかできませんでしたが、この技術により、AIが怪しい動きを検知したタイミングでアラートを送るといった、事前の対応ができるようになります。

“人がいるとき”だけ、といった必要な場面を切り取ることができるので、データの容量を削減することができ、通信料などのコストカットにも繋がります。

 防犯目的だけではなく、応用次第では人の目の代わりとなり、様々な場面で活用される事でしょう。

 ラセルさんはPythonとOpenCVのライブラリを使用して映像検出の仕組みを作り、更にApacheを使ってWebサーバを立て、バックエンドの仕組みはphpを使って構築しました。

「もともとAIに興味があったのでCSCに入りたいと思いました」と語るラセルさんですが、学校などでAIについて学んでいたわけではなく、今回の仕組みで使うプログラミング言語は初めて触るものばかりでした。

 しかし、ラセルさんはAIに対する強い興味から、ほぼ独学で言語を学び、インターネットや書籍で調べながら進める事によって、システムを構築するところまで到達しました。

■初めてストレスを感じた“バージョンの問題”

 ラセルさんにシステムを作るに当たり、一番苦労している点を伺うと「ソフトウェアのバージョンの違いによってうまく動かないことがある」と教えてくれました。

 様々なソフトウェアを同時に利用しているため、各ソフトウェアのバージョンの違いによって想定通りの動きをとってくれなかったり、そもそも動かなかったりという問題が発生することがあるようです。

「今までストレスというものがわかりませんでした。でもこれがストレスだと初めて知りました」とラセルさんが言う通り、この問題は深刻で、解決には非常に時間がかかるため、かなり苦心しながら進めているそうです。

 普段の仕事でトラブルや不明点があると、上司や身近な先輩に尋ねたり、協力してもらいながら問題を解決することが多くありますが、会社としても新たに取り組んでいる事業ということもあり、身近に詳しい先輩はいません。
 そのような環境の中でラセルさんは、得意な英語のスキルを活かし、海外のWebサイトの情報なども参考にしながら課題解決を進めていたそうです。

 大きな壁がある一方で、それを乗り越え、システムが自分の思う通りの動きをした時はとても嬉しく、大きなやりがいにつながっているとラセルさんは言います。
 どうやらラセルさんはエンジニアとしての喜びを、そういう部分に感じているようです。


■「今の世代は、世の中に必要とされるIT業界しか考えられない」

 ラセルさんはバングラデシュの大学で電気工学を専攻していた時にC言語を学び、興味をもったことからITを目指す様になりました。

「今の世代はIT業界しか考えられません」と語っていたのでその理由を聞くと、「今の世の中はITが無くてはならない技術ですし、今後も大きく発展することは間違いないです。だから私はITに関わっていきたい」と、これからのIT業界に対しての将来性を聞かせてくれました。

 勉強熱心なラセルさんは成長も著しく、母国の日本語学校で日本語を学んだ際には、2年目から日本語を教える側として教壇に立つほどでした。

 そして日本ではIT系の専門学校で学び、就職活動の中で多くの企業の中から、本気でAI事業に力を入れているシーエスコミュニケーションに魅力を感じ、入社を決めました。

 シーエスコミュニケーション入社前に結婚し、しばらくは日本とバングラデシュで離れ離れに暮らしていましたが、先月ようやく奥様を日本に呼び、今は一緒に仲良く暮らしているそうです。

■時代に合わせてお客様が求めるものを実現してあげたい

 今は一人で勉強しながら、上司から求められた事を実現していますが、この先は「AIの分野で経験のある人と一緒に、もっとできる事を増やしていきたい」とラセルさんは語ってくれました。

 自分一人ではできないような新しいことを、その道の経験者から学びながら習得しスキルを高めていきたいと考えているようです。

 今取り組んでいるAIカメラの技術が発展していけば、人間の目の代わりとして、様々な場面に活用できるようになります。

その結果、大幅な人件費の削減ができたり、人間よりも正確で高度な分析が出来るなど、大きなメリットを得ることができます。 

「時代によってお客様の欲しいものは変わりますが、ちゃんとお客様からヒアリングをし、どうやったらできるかを伝えてあげて、それを実現してあげたい」というラセルさんは、これからもお客様に寄り添ったエンジニアになることを目指し、努力を続けていきます。

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