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夏休みの読書感想文はAIにおまかせ?ChatGPTの作文能力を確かめてみた

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AI技術の進歩には目覚ましいものがあります。

実際に仕事でChatGPTなどの人工知能チャットボットを使っていたり、これから使いたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

私も仕事で活用することが多いChatGPTですが、使っていてふと思うことがあります。

「自分が小学生だったらChatGPTに読書感想文を書いてもらっていただろうな・・・」と。

実際にどれくらいの作文能力があるか気になったので、どのように指示をするとこちらの意図する読書感想文を書いてくれるのかを検証をしてみました。

決して、ズルやサボりを推奨することが目的ではありませんのであしからず!

読書感想文に適したプロンプト(命令文)は?

学生にとって待ちに待った夏休みですが、夏休みの宿題の定番といえば「読書感想文」は外せません。

 

私は小学生の頃は読書感想文の宿題が好きではなかったので、夏休みの最終日に焦って取り組んでいた思い出があります。

 

今も読書感想文の宿題があるのかはわかりませんが、現在のChatGPTの文章表現力の高さを活用すれば、まるで本当に人が書いたかのような素晴らしい感想文がかけるのではないでしょうか。

 

今回はわかりやすいように、有名な文学である『走れメロス』を例に挙げて試してみましょう。

 

ChatGPTはまるで人と対話するように質問に対して返答してくれますが、どのようにChatGPTに質問をするかによって答えが変わるため、使う人間がうまくプロンプトと呼ばれる命令や質問を伝える必要があります。

 

読書感想文を上手に書いてもらうためには、以下のような項目でプロンプトを作成すると効果的です。



1.書籍のタイトルと著者名を明記する

「太宰治の『走れメロス』の読書感想文を書いてください」

2.感想文に含めたい要素を指定する

「特に作品のテーマ、キャラクター、ストーリープロットについて触れてください」
 

3.感想文の長さを指定する

「500文字程度で書いて下さい」
 

4.特に強調して欲しい点を指定する

「特に主人公の心情について詳しく説明してください」
 

5.個人的な意見や感情を含めてほしいかどうか

「受けた影響や、個人的な感想や意見も交えて下さい」
 

6.文体や書き手の特徴をしていする

「中学生レベルの文章力で書いて下さい」

 

プロンプトは箇条書きでも対応してくれますが、文章で伝えるとしたら今回のケースは以下のようになります。

 

「太宰治の『走れメロス』の読書感想文を書いてください。テーマ、キャラクター、ストーリーについて触れ、500字程度でまとめてください。特に、主人公の心情について詳しく説明し、実生活への影響や個人的な感想も交えてください。文章は中学生が書くレベルを想定して下さい。」


次の項で上記のプロンプトで生成された読書感想文を実際に見てみましょう。

生成された読書感想文はコンクール受賞レベル?!

プロンプトによってChatGPTが作成した読書感想文がこちらです。



太宰治の『走れメロス』を読んで、友情と信頼の重要さを強く感じました。この物語は、主人公メロスが親友セリヌンティウスを救うために王と約束をし、命がけで走る話です。

テーマは「友情」と「信頼」です。メロスは、友人の命を救うために自分の命を捧げる決意をします。彼の行動は、友情のために自分を犠牲にすることの尊さを示しています。

キャラクターについて言えば、メロスは非常に強い意志と決意を持った人物です。最初は怒りから行動を起こしますが、次第にその行動は深い友情と信頼に支えられます。また、セリヌンティウスもまた、友人を信じて待ち続ける強い心を持っています。二人の強い絆が物語を通じて強調されています。

ストーリーは、メロスが王から3日間の猶予をもらい、故郷に戻り、再び城へ戻るというシンプルなものです。しかし、その途中での試練や困難がメロスの決意を試します。川の増水や盗賊の襲撃、疲労など、さまざまな困難に立ち向かう中で、彼の心情は絶望から希望へと変わり、最終的には友情と信頼が勝利する感動的な結末を迎えます。

特に印象的なのは、メロスの心情です。彼は何度も絶望し、諦めそうになりますが、その度に友人への約束を思い出し、再び立ち上がります。友情への強い信念と、何があっても諦めない心が彼を最後まで走らせます。

実生活への影響として、この物語を読んで、私は友人や家族との信頼関係を見直しました。友人との約束を大切にし、困難に立ち向かう勇気を持つことの重要性を改めて感じました。

個人的な感想としては、メロスの勇気と決意に感銘を受けました。友人のために全力を尽くす姿勢はとても感動的で、私もそんな友人でありたいと思いました。この物語は、友情の大切さを再認識させてくれる素晴らしい作品です。


いかがでしょうか、かなり文章が簡潔にまとまっており、レベルの高い読書感想文ができたと感じます。

 

500文字程度と伝えても、733文字となったのは含めてほしい要素が多すぎたせいかもしれません。

 

読んだ人がメロスの物語を通じて学びを得ることができたんだなと感心してしまいます。


キャラクターを演じて文体の書き分けが可能

ChatGPTは回答の仕方もこちらの希望に合わせてくれるので、友達のようなフランクな話し方や、侍のような話し方で回答させることもできます。

 

先程は中学生レベルの読書感想文と指定しましたが、小学校の中学年程度の文章で書いてもらうとこのようになりました。

 

太宰治の『走れメロス』を読んで、とても感動しました。このお話は、メロスという男の人が友だちのために一生懸命走る物語です。メロスは悪い王様に捕まりますが、友だちのセリヌンティウスを助けるために、三日間だけ自由をもらいます。その間にメロスは故郷に帰り、もう一度王様のところに戻るために全力で走ります。

このお話のテーマは「友情」と「信頼」です。メロスはどんなに疲れても、どんなに困難があっても、友だちとの約束を守るために走り続けます。彼の心の中には、友だちを信じる強い気持ちがあります。また、セリヌンティウスもメロスを信じて待ち続けます。二人の強い絆が、この物語の中でとてもよく表れています。

メロスの心情について考えると、とても強い決意と勇気を感じます。走っている途中で何度も疲れて諦めそうになりますが、友だちのことを思い出して、もう一度立ち上がります。その姿はとても感動的で、私もこんな風に友だちを大切にしたいと思いました。

このお話を読んで、私は友だちとの約束をもっと大切にしようと思いました。メロスのように、信頼と友情を大切にして、お互いに助け合うことの大切さを学びました。また、困難に立ち向かう勇気もとても大事だと感じました。

個人的な感想としては、メロスの勇気と決意にとても感動しました。友だちのために一生懸命になる姿は、とても素晴らしいと思いました。この物語は、友情の大切さを教えてくれる、とても良いお話だと思います。

内容に大きな違いはありませんが、こちらはこちらで小学校3〜4年生が書いたとしたら素晴らしいと思ってしまう文章だと感じます。

 

「友人」が「友だち」に変わっていたり、「素晴らしい作品です」が「とてもいいお話だと思います」に変わったりなど、漢字や言葉の使い方がちゃんと小学生レベルになっているところもポイントです。

 

細かいことを言えば、小学生が「心情」なんて使うだろうか?とか、小学校中学年で「懸命」と漢字で書けるだろうか?など修正点もあると感じるので、ちょっとした手直しは必要かもしれません。

 

例えば、小学生のお子さんがいるお父さんが、8月の終わりになっても宿題を終えてないお子さんの代わりに読書感想文を書くということにChatGPTを使うのであれば、逆に文章が綺麗すぎて不自然ではないかという点に気をつけて下さい。


マイナーな書籍の場合と文章生成の注意点

『走れメロス』は有名な文学作品ですが、対象の書籍があまり有名でない場合はChatGPTに読書感想文を書いてもらうことはできないのでしょうか?

 

書籍が有名でない場合は、こちらが書籍の内容についてChatGPTに説明をする事で、読書感想文を作成してもらうことができます。

 

以下のようなテンプレで、項目を埋めるとちゃんと読書感想文として文章をまとめてくれます。



以下の書籍の読書感想文を500文字程度で作成して下さい。

 

 書籍のタイトルと著者:

 ジャンル:

 あらすじ:

 主要なキャラクター:

 物語の重要なポイント:

 印象に残った名言:

 個人的な感想や自分への影響:

上記の項目を正確に埋めるには、どうしても本を読む必要はありますが、アウトプットについてはかなりの時間を短縮できると感じました。

 

ChatGPTは多くの書籍の情報を持っていますが、当然知らない書籍もありますし、有名な書籍でも正確に情報を掴むわけではありません。

 

知らない本や情報が不足している場合、ChatGPTが勝手にストーリーや登場人物を想像し、その物語の感想を伝えて来ることがあります。

 

自分が意図した文章になっていない場合は、情報の追加や修正が必要となるので、ChatGPTの文章をすべて鵜呑みにして信じないよう注意が必要です。

 

いくら便利でも間違っていては意味がないですからね。



今回はChatGPTに読書感想文を作成させたらどうなるのかというテーマで検証をしてみました。

 

2024年7月現在、無料で使えるChatGPTのバージョンは「GPT-3.5」となっていますが、無料でも限定的に更に性能の良い「GPT-4o」を使うことができます。

 

やはり新しいバージョンのほうがプロンプトに対する回答の性能も高いと感じました。

 

ChatGPTが提案する文章はとても読みやすく、人が書いた読書感想文と見分けることはかなり難しいと思います。

 

冒頭でお伝えしたようにズルやサボりを推奨しているわけではありませんし、AIに頼りっぱなしだと自分でものを考えられない人になってしまう危険もあります。

 

しかし、AI技術の進歩がこの様な形で我々の生活に影響する時代になったと思うと、ちょっとした感動がありました。

 

ChatGPTのようなAI技術を上手に使うことで、ただ人間が楽をするだけでなく、クリエイティブな方向での可能性も広がりそうですね。

 

夏休みの自由研究で「ChatGPT」をテーマに色々と調べてみるのはどうでしょうか?

 

きっとAIやIT技術への興味が深まるのではないかと思います。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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