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価格高騰の噂は本当なのか?中小企業が今知っておきたいパソコン購入の話

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価格高騰の噂は本当なのか?中小企業が今知っておきたいパソコン購入の話
最近、「パソコンが値上がりするらしい」「今後はパソコンが買いにくくなる」といった話がニュースでも叫ばれています。

中小企業の情シスや総務担当として、パソコンの買い替えや追加導入を検討している方の中には、何を信じて判断すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。

情報を追ってみると、ニュースやメーカーの発信など、さまざまな見方があり状況が分かりにくくなっています。

本当にパソコンの価格は上がるのか、いつ購入するのがお得なのか、そもそも値上がりの原因は何なのか?

この記事では専門用語をできるだけ使わずに、企業のパソコン購入に関する情報を提供します。



いま、どんな情報が出回っていて、何が起きているのか

最近、パソコンに関して「今後は価格が高騰することが予想される」「以前と同じ条件では買えなくなる」といった情報を目にする機会が増えています。

 

これは単なる噂ではなく、実際にPCメーカー各社の動きからも、その兆しが見え始めており、企業向けのパソコンでは、構成や条件によっては10〜20%程度値上がりするという見方も出ています。

 

例えば、とある国内PCメーカーでは、今後のパソコン入れ替え需要の集中を見据え、早めの検討を呼びかける案内を行っています。

 

直前の購入では、希望するスペックや構成が選べなくなる可能性があること、調達状況によっては価格改定が行われる可能性があることも示されています。

 

同様の注意喚起は、国内外を問わず他のPCメーカーや法人向け販売チャネルでも見られるようになっています。

 

すでに一部のモデルでは、価格が上昇していたり、在庫が不安定になっていたりするケースも出ています。

 

また、注文から納品までにかかる期間が長くなる可能性があるなど、調達条件そのものが変わり始めているのが現状です。

 

情シスや総務の立場から見ると、これまでのように「パソコンが必要になったから買おう」という進め方が通用しにくくなりつつあると言えます。

 

今後、パソコンの価格が高騰すること、そして希望通りに調達できないリスクが高まることは、現実的な前提として捉えておく必要があります。

 

まずは、こうした状況がすでに起き始めているという点を理解したうえで、次にその原因を整理していきます。

なぜ、パソコンの価格高騰や供給不安が起きているのか

当然ながらパソコンが値上がりしている状況は、偶然や一時的なものではありません。

 

いくつかの要因が重なった結果として、パソコンの価格高騰や供給の不安定さが生じています。

① Windows10のサポート終了による買い替え時期の重複

まず大きな要因の一つが、多くの企業でパソコンの買い替え時期が重なっていることです。

 

Microsoft が提供する Windows 10 は2025年10月にサポートが終了しました。

 

企業としては、セキュリティや運用面の理由から、使い続けることが難しくなり、結果としてパソコンの入れ替えを検討せざるを得ません。

 

この動きが、業種や企業規模を問わず、同じ時期に一斉に起きています。

 

今の日本経済において、多くの業種業態の企業がWindowsのパソコンを導入している状況のため、買い替えの時期が被ってしまい、需要が膨らんでいるという状況を生み出しています。

 

もちろん、数年前からWindows10のサポート終了時期は告知されていたので、計画的にパソコンの購入を行う企業も多くありましたが、ギリギリの対応になってしまった企業にとっては、手痛いコストに繋がっています。

②パーツの生産と供給の優先度

次に、メーカー側の生産や供給の優先順位も影響しています。

 

よく「半導体不足によりパソコンの価格が高騰する」と言われますが、正確には「半導体が他の用途に優先されるためパソコンに回ってこない」という状況です。

 

より利益が見込める分野や、大規模案件向けの供給が優先されることで、一般的な業務用パソコンは後回しになりやすい状況が生まれています。

 

その結果、「作れない」のではなく、「すぐには回ってこない」という状態が起きています。

 

例えばAIの学習や推論に使うサーバー、データセンター・クラウド事業者向け、自動車・産業機器向けなどは、人が使うパソコンよりも利益が見込めるため、優先される傾向があります。

③海外製部品と円安の影響

さらに、円安の影響によって価格が下がりにくい状況も続いています。

 

パソコンの部品は海外から調達されるものが多く、円安の状態では仕入れコストが下がりません。

 

主にアメリカ、中国、台湾、韓国あたりで製造されているパーツが多いため、仕入価格が高くなってしまいます。

 

メーカーとしても、値下げを行いにくく、価格改定が行われやすい環境にあります。

これらをまとめると、

 

・買い替え需要が同時期に集中している

・メーカー側の供給に優先順位が生まれている

・為替の影響で価格が下がりにくい

 

他にもコロナ禍以降、物流コストの上昇が続いていることや、年度末が近づいて新入生や新入社員向けの需要が高まったりといった要因が重なり、現在の状況が生まれています。

 

重要なのは、どれか一つが原因なのではなく、複数の現実的な事情が同時に起きているという点です。

 

この前提を理解したうえで、次に「情シスとしてどう考えるべきか」を整理していきます。


企業が本当に大変なのは「買った後」

ここまで見てきたように、パソコンの価格や供給状況にはさまざまな要因が絡んでいます。

 

ただし、情シスや総務の立場で実際に負担を感じやすいのは、パソコンを買うことそのものより、その後の対応ではないでしょうか。

 

パソコンを導入すると、単に箱が届いて終わり、というわけにはいきません。

 

初期設定、アカウントの設定、業務に必要なソフトのインストール、ネットワークへの接続、そして利用者への引き渡しまで、一連の作業が発生します。

 

台数が少なければ何とか対応できても、入れ替えや新規導入が重なると、これらの作業は一気に負担になります。

 

特に中小企業では、情シスを専任で置いていないケースも多く、本来の業務の合間に対応したり、特定の担当者に作業が集中するといった状況になりがちです。

 

その結果、設定作業が後回しになったり、利用開始が遅れたりすることも珍しくありません。

 

また、導入を急ぐあまり、設定が十分に確認できていない、配布後に細かなトラブルが頻発するといった問題が起きることもあります。

 

こうした対応に追われることで、結果的に残業や休日対応が増えてしまうケースも見られます。

 

つまり、パソコン導入で本当に考えるべきなのは、「いくらで買えるか」だけではなく、導入に向けた全体の計画といえます。

 

では、どうしたらコストを抑えながら現実的に導入を進めていくことができるのでしょうか?

コスパよくPC導入するために考えるべきこと

パソコンの価格が上がり、調達もしづらくなっている状況では、「できるだけ安く買う」ことだけに意識が向きがちです。

 

しかし、中小企業の情シスや総務の立場で考えると、コストは本体価格だけでは決まりません。

 

実際には、「導入までにかかる時間」「設定や展開に必要な作業工数」「導入後のトラブル対応」といった要素も、すべてコストとして積み重なります。

 

これらを十分に見込まずに導入を進めると、結果的に負担が大きくなってしまいます。

 

コスパよくパソコンを導入するために、まず重要なのは計画的に動くことです。

 

台数や導入時期を早めに整理しておくことで、選べる機種や構成の幅が広がり、急な対応による無駄なコストを抑えやすくなります。

 

また、スペックをある程度そろえておくことで、設定作業や管理の手間を減らすこともできます。

 

次に考えたいのが、導入作業そのものをどう進めるかです。

 

パソコンの設置や初期設定、配布までをすべて社内で対応するのか、あるいは一部を外部に任せるのか。

 

自社の体制やリソースを踏まえて判断することで、無理のない導入につながります。

 

重要なのは、「どこまで自社でやるか」を事前に決めておくことです。

 

その場しのぎで対応すると、特定の担当者に負担が集中し、結果的にコストも膨らみがちになります。

 

コスパよく導入するとは、金額だけでなく、業務への影響を含めて最適な進め方を選ぶことだと言えるでしょう。

 

このように考えると、パソコン導入は単なる買い物ではなく、業務を止めずに進めるための計画が重要な取り組みだということが見えてきます。

パソコン導入は「価格」ではなく「進め方」で差が出る

ここまで見てきたように、現在のパソコンを取り巻く状況は、単に「半導体が足りない」「一時的に高くなっている」という話ではありません。

 

買い替え需要の集中、メーカー側の供給優先順位、円安の影響など、複数の要因が重なり、

価格が上がりやすく、調達もしづらい環境が生まれています。

 

市場予測では、少なくとも2027年頃までは、価格や供給の不安定な状況が続く可能性があるとも言われています。

 

こうした状況では、「少し待てば安くなるだろう」と判断を先送りするよりも、前提条件が変わっていることを踏まえて考えることが重要になります。

 

特に中小企業では、必要になってから慌てて動くと、選択肢が限られ、結果的にコストや負担が増えてしまうケースも少なくありません。

 

また、パソコン導入は本体を購入して終わりではなく、その後の設定や展開、運用まで含めて考える必要があります。

 

金額だけでなく、作業工数や業務への影響も含めて判断することで、無理のない導入につながります。

 

今や、パソコンがなければ事業を進めることができないという企業が世の中の大半を締めています。

 

サポートが切れたままのパソコンを使っている企業は、コンピューターウイルスや悪意のある攻撃の格好の餌食となってしまうため、早急なリスク回避の対応が求められます。

 

今後の状況を見据えながら、早めに情報を整理し、自社に合った進め方を検討しておくことが、結果としてコストを抑え、業務を止めないための現実的な選択と言えるでしょう。

 

シーエスコミュニケーションでは創業から28年、お客様の業務用パソコンの購入や設定・設置の支援だけでなく、快適な社内IT環境をサポートしてきました。

 

自社の情報システム部門のリソースが足りない場合や、安心してプロに任せたいという場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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