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フリーランスのITエンジニアってどんな仕事?会社員との違い、メリット・デメリットも紹介

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フリーランスITエンジニアの仕事
「フリーランスで高収入!」「フリーランスならあなたにマッチした案件を選べる」など、魅力的な言葉を目にすることはないでしょうか?

ITエンジニアでも実際にフリーランスとして、高収入や自由な働き方を得て活躍している人もいます。

しかし、本当に誰もがフリーランスの働き方で成功することができるのでしょうか?

結論から言うと、かなり人を選ぶ働き方であると私は感じます。

今回はフリーランスのITエンジニアのメリットやデメリットを掘り下げながら、会社員との違いにフォーカスしたいと思います。

フリーランスのITエンジニアって、どんな仕事?

フリーランスITエンジニアとは、会社に所属せず、自分の力で直接お客様(企業の担当者や個人事業主、あるいは仲介会社など、仕事を依頼してくる相手)から仕事を受けて働くエンジニアのことを指します。

 

自分で働く時間や場所を決められる自由な働き方です。

 

ITエンジニアの仕事には、スマホアプリやホームページの開発、サーバーやネットワークの設計・運用、システムの監視やトラブル対応など、さまざまな分野があります。

 

フリーランスも会社員も、実際に手がける仕事の内容はほとんど変わりません。

 

違いは「働き方」にあります。

 

会社員は会社に所属し、決まった場所や時間で働くのに対し、フリーランスは自分で仕事を獲得し、働く時間や場所も自由に決めます。

 

しかし、仕事の中身は同じであり、どちらも専門的なスキルを使ってシステムやサービスを作り、維持することが求められます。

 

つまり、フリーランスだからといって特別な仕事をするわけではなく、やることは会社員のITエンジニアと同じ。

 

違うのは「自由に働くか」「会社の枠組みで働くか」という点だけなのです。

 

ただし、フリーランスITエンジニアの自由は無制限というわけではありません。

 

たとえば、お客様から「来週の金曜日までにこの機能を完成させてほしい」「毎週火曜日の午後にオンラインミーティングをお願いします」といった依頼があります。

 

つまり、働く時間や場所は自分で選べますが、お客さんの都合に合わせてスケジュールを調整しなければなりません。

 

自宅で午前中に作業し、午後はカフェで仕事をすることもできますが、納期やミーティングは守る必要があります。

 

このように、フリーランスの自由は「自分で決められる部分が多いけれど、お客様との約束や仕事の期限を守る責任がある自由」です。

 

自由と責任のバランスを自分で管理することが大切です。

フリーランスITエンジニアのメリット・デメリット

フリーランスITエンジニアとして働くと、自由な時間や場所で仕事ができる一方、さまざまな責任も伴います。

 

ここでは、具体的なメリットとデメリットをわかりやすく紹介します。

 

メリット

 

・働く時間や場所が自由

 

 会社のように決まった時間や場所に縛られず、自宅やカフェ、好きな場所で働けます。朝はゆっくり始めることもでき、生活スタイルに合わせて調整できます。

 

・収入アップのチャンスがある

 頑張ってスキルを磨き、経験を積めば高単価の案件を受けられるようになります。会社員の給与とは違い、自分の努力次第で収入を増やせる可能性があります。

 

・好きな案件を選べる

 興味のある分野や得意な技術を活かせる仕事を自分で選べます。やりたい仕事に集中できるので、モチベーションも保ちやすいです。

 

・人間関係のストレスが少ない

 上司や同僚との人間関係に悩むことが減ります。自分のペースで仕事を進められるため、ストレスが少なくなる人も多いです。



デメリット

 

・仕事が途切れるリスクがある

 フリーランスは自分で仕事を獲得し続ける必要があります。案件が見つからない期間は収入がゼロになることもあるため、安定しないリスクがあります。

 

・社会保険や税金は自分で対応

 会社員の場合は会社が手続きをしてくれますが、フリーランスは健康保険や年金、税金の申告などすべて自分で管理しなければなりません。

 

・孤独感がある場合も

 一人で作業することが多く、相談相手や励まし合う仲間が少ないため、孤独を感じることもあります。

 

・営業や経理など技術以外も自分でやる必要がある

 仕事を探す営業活動や、請求書の作成、経費管理なども自分で行う必要があります。技術以外のスキルも求められます。

 

フリーランスは自由と責任がセットになった働き方です。メリットとデメリットをよく理解した上で、自分に合った働き方を選びましょう。

会社員ITエンジニアのメリット・デメリット

会社員ITエンジニアとして働くと、安定した収入やサポート体制のある環境で仕事ができます。

 

ただし、働き方の自由度や仕事内容の選択には制限がある場合もあります。

 

ここでは、フリーランスエンジニアと比較できるように具体的なメリットとデメリットをわかりやすく紹介します。

 

メリット

 

・安定した給与と福利厚生

 毎月決まった給料がもらえ、賞与や昇給の制度がある企業も多いです。社会保険や厚生年金、有給休暇など、生活を支える制度が整っているのは大きな安心材料です。

 

・教育やサポートが受けられる

 入社時の研修や、社内の勉強会、先輩からのフォローなど、スキルアップをサポートしてくれる環境が整っています。わからないこともすぐに相談できる安心感があります。

 

・チームで働ける

 一人で仕事を抱え込むのではなく、チームで連携して作業を進めます。相談や分担ができるため、精神的な負担が少なくなることもあります。



デメリット

 

・働く時間や場所に制限がある

 多くの会社では勤務時間が決まっており、出社やリモートの頻度も会社側のルールに従う必要があります。自分のペースでは動きづらいことがあります。

 

・収入の伸びに限界がある

 給与は社内の評価制度や等級によって決まるため、いくら頑張ってもすぐに大きく収入が増えるわけではありません。年功序列の企業では、昇給まで時間がかかることもあります。

 

・人間関係のストレスがある場合も

 上司や同僚、取引先との関係に気を使う場面が多く、合わない人がいても環境を変えるのは簡単ではありません。人間関係がストレスになることもあります。

 

・好きな案件を選べない

 基本的に、会社の方針やチームの状況に応じて案件が決まります。自分の希望とは違う分野や技術の仕事を任されることもあります。


フリーランスが自由と引き換えに背負うもの

前章でフリーランスのデメリットとして「社会保険や税金は自分で対応」と書きましたが、その点を具体的に説明しないとイメージができないかもしれません。

むしろその点が一番フリーランスにとってのハードルになる部分ではないでしょうか。

 

ITエンジニアという職種に限る以前に、会社員とフリーランスの違いについて、税金や社会保険、社会保障という観点からの違いを知っておいた方がいいでしょう。



1.税金関係

項目

会社員(給与所得社)

フリーランス(個人事業主)

所得区分

給与所得

事業所得

税金の手続き

年末調整(会社が代行)

確定申告が必要

経費の扱い

原則使えない

仕事に必要な支出は経費に

節税方法

ふるさと納税、iDeCoなど

青色申告や小規模企業共済など

 

会社員の場合は会社が年末調整をしてくれるため、基本的に税務処理は会社に任せることができます。

 

源泉徴収された後の手取りを受け取る形で、税金の仕組みに詳しくなくても問題なく生活できます。

 

フリーランスの場合は自分で確定申告を行い、所得税や住民税を自分で計算・納付する必要があります。

 

売上から経費を引いた「所得」が課税対象となり、青色申告などで節税対策も可能ですが、すべて自己管理です。



2.社会保険・年金制度

項目

会社員

フリーランス

健康保険

会社の保険(会社と折半)

国民健康保険(自己負担)

年金

厚生年金(会社と折半)

国民年金(基礎年金のみ)

雇用保険

加入(失業手当などあり)

原則なし

労災保険

会社が加入

原則なし

 

会社員の場合は健康保険・厚生年金に会社を通じて加入し、保険料の半分は会社が負担してくれます。

 

また、失業保険(雇用保険)や労災保険にも自動で加入します。

 

フリーランスの場合は原則として、国民健康保険と国民年金に加入し、全額自己負担で支払う必要があります。

 

雇用保険・労災保険のような制度は基本的にありません(例外的に「特別加入」制度などがあります)。



3.社会的な信用・与信

項目

会社員

フリーランス

ローン審査

安定収入とみなされ有利

実績や収入証明が必要

賃貸契約

審査が通りやすい

収入変動リスクで敬遠される事も

社会的信用

「会社に所属している」という

実績・発信・登録などで補う

 

会社員は毎月安定した給与があるため、銀行や不動産会社から「収入が安定している」と評価されやすく、住宅ローンやクレジットカード、賃貸契約などで審査が通りやすい傾向にあります。

 

逆にフリーランスは収入が高くても安定して入ってくる保証が無いと見なされることもあり、特に独立して間もない場合は実績不足と判断されることもあるようです。

 

安定した売上や入金記録を出せるようになると銀行や不動産会社も安心しますし、法人化することで会社員に近い扱いを受けやすくなるケースもあります。



4.労働・法的保護

項目

会社員

フリーランス

労働法の保護

労働基準法が適用

労働者ではないため対象外

休日・休暇

法的保護あり(法定休・有休)

自主的に調整

育休・産休

法的保護あり

自主的に調整

 

会社員は「与えられた仕事の範囲で責任を果たす」という立場で、万が一の損失が出ても会社がカバーします。

 

一方で、フリーランスは「すべての責任を自分で負う」立場となり、契約書の不備や納期遅れ、損害賠償リスクなども想定しなければなりません。

 

「自由と責任」「安定とリスク」のバランスが、会社員とフリーランスの大きな違いです。

 

どちらが良い・悪いかではなく、自分のライフスタイルや価値観に合った働き方を選ぶことが大切です。


フリーランスITエンジニアに求められるもの

フリーランスで成功しているITエンジニアのほとんどが、技術力と経験値を今までの経歴の中で身につけた方であり、最初からフリーランスで仕事をしている方はごく一部です。

 

実際にアプリを作成したり、システムを扱った実績などのポートフォリオがあると、お客様も安心して依頼をすることができます。

 

とはいえ、今の時代は人手不足が進んでいるため、基礎スキルが身に付いていて、成長意欲の高い方であれば、技術スキルや経験が少なくても活躍できる可能性も高くなってきているようです。

 

また、フリーランス人材に向けた案件を専門に扱う媒体や、案件紹介サービスなども増えてきています。

 

より一層課題解決力や、ビジネスコミュニケーション力、自己管理能力などのポータブルスキルや、仕事に対する責任感が重要視されるでしょう。

 

フリーランスは働き方や収入においても魅力が多いのですが、一般的な会社員とは異なる働き方なので、メリットだけでなくデメリットに感じるような部分も多々あります。

 

聞きかじった情報を鵜呑みにするのではなく、徹底的に調べたうえで自分に合った働き方ができるのかどうかを考えて進むべきです。

 

表面的な情報だけで「楽してお金を稼げる」と思い込んでしまうと、そういう人を食い物にする悪い人間の思う壺……なんてことにもなりかねません。

 

理解を深めたうえで、最良の選択をしてほしいと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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