ITエンジニアを目指すなら!学校に通うよりも先にやるべきこと

IT業界に進むために大学や専門学校やITスクールでITを学ぼうと考える人は多いと思いますが、実はそれ、要注意な考え方です。
実際にはIT系の学校に通ってもITエンジニアにならない人もいれば、そのような学校に通わなくてもITエンジニアとして活躍している人もたくさんいます。
それは、“学ぶ”と“なれる”は別だから。当たり前ですが、学んだからといって誰でもなれるわけではないのです。 ITエンジニアになるには、進学することよりも大事なことがあります。
今回は「ITエンジニアになりたい!」と思った人が、どんなことから進めれば良いのかについて解説します。
まずは「ITエンジニアって何をする仕事?」を知ることから
「ITエンジニアになりたい」と思う人が一番初めにやるべきことは、学校選びでも技術を学ぶことでもありません。
まずは、ITエンジニアがどんな仕事なのかを知ることだと思います。
そもそも、ITエンジニアとは1つの仕事を指す言葉ではありません。ITエンジニアの中にも多種多様な仕事が含まれます。
たとえば、アプリ開発、ネットワーク構築、Web制作、ゲーム開発、ロボットの制御、AI、セキュリティ、家電の基盤製造など、他にも様々な仕事があり、それらはまったく別ジャンルと言っていいくらい必要な技術や知識に違いがあります。
プログラミング言語を使ってコードを書くような職種もあれば、機械を扱う職種もありますし、デザインセンスが必要なものや、高度な数学や物理学の知識が必要となるような職種もあります。
その数あるITエンジニアの仕事の中で、「自分に向いている・楽しそうと思える分野」を探すことが最初の一歩として大切なことです。
「とりあえずITエンジニアだったらなんでもいい」という人もいるかもしれませんが、自分が学んでいくためには、興味を持って取り組むことがなによりも成長につながるものです。
インターネットや書籍、リアルな人からの情報など、様々な情報源が溢れている世の中なので、まずは興味が持てそうなITエンジニアの仕事について調べたり、どのような仕事があるのかを見てみましょう。
その知識がないままでは、自分がイメージしていたITエンジニアの仕事と、ギャップが起こる可能性も大いにあります。
「プログラミングでゲームを作ってみたい」「Webサイトを作ってみたい」「ロボットを動かしたい」など、特定の分野に興味を持っている人も多いかと思いますが、ITエンジニアについて広く知識を持っておくことは重要です。
各ジャンルごとに必要なスキルは異なりますが、それらは互いに関連しています。そのため、幅広い知識を身につけておくことで、後々役立つことが多いと感じるでしょう。
気になる分野が見えたら、必要なスキルを調べてみる
ITエンジニアについて調べる中で、自分の気になる分野を見つけたら、その分野でどんな知識や技術が必要なのかもわかってくるはずです。
アプリを作りたいのなら、プログラミングの学習をする必要がありますし、作りたいものによって使われる言語も異なってきます。
IT環境を支えるネットワークに興味をもったなら、ネットワークの概念やネットワーク機器、サーバー、物理的な配線など、その分野に応じたスキルが必要になります。
まずは入門でも構わないので、そのような技術について学んでみましょう。
こちらも今の時代はYouTubeの動画や、無料学習サイト、書籍などで初心者向けのコンテンツがたくさん揃っているので、独学のハードルはかなり下がっていると感じます。
といっても、最初から完璧を目指すよりは、まず体験してみるということが大事です。
その中で「やっぱり面白いな」と感じるのか、そうじゃないのかが向き不向きを知る大きな手がかりとなります。
ただし、最初のうちは難しいと感じてしまうのは誰にでもあることです。
少しずつできるようになってくるからこそ楽しみを感じるものなので、まずは簡単な目標をたて、それをクリアするという経験を積んでみるといいでしょう。
手を動かして「作ってみる」。ここから本当の学びが始まる
ITエンジニアになるためにIT技術を学ぶことは非常に大切なことですが、技術を身につけることを目的にしてしまうと、言われたことしかできない技術者で終わってしまいます。
実際に面接をしていてよくあるのが、プログラミングを習ったけど、ただ演習の課題となる仕組みを作っただけで、自分で能動的に何かを作ったことがないという人です。
そのような人たちに対しては、本当にその技術に興味があるかも、スキルが身についているかどうかも測ることができません。
なぜなら、答えとまったく同じようにやれば、正しく動くものは作れるからです。
学んだことを応用して、オリジナルのゲームを作ったり、便利なアプリを作ったりと、自分で考えてアウトプットするレベルになって、初めてスキルを身に着けたと言えます。
小規模のものでも構わないので、プログラミング言語で動く簡易的なロボットを作ってみたり、Webページを作ってみたり、仮想環境のネットワークを作ってみましょう。
技術・知識はあくまで何かの目的を達成するためのツールでしかなく、技術・知識を身につけるために目的があるわけではありません。
目的意識を養うためにも、自分が作りたいものをイメージして、学んだ技術を活かして実現してみることが重要です。
それは面接の時にポートフォリオとしてスキルや実績をアピールするための資料として使うことができますし、作るうえで難しかったこと、そしてそれをどう解決したかを伝えることで、課題解決力をアピールすることにも繋がります。
学びを活かし、「作ってみる」に挑戦してみましょう。
大学・専門学校・ITスクールでITを学ぶべきパターン
学校に行ってもITエンジニアになれるとは限らないことは事実ですが、逆に学校でITを学ぶべき人や、向いているパターンも確実に存在します。
1.何をやりたいかまだ明確じゃないがITに興味がある
幅広いIT分野に触れながら自分の適性を探したい場合や、同世代の仲間や指導者の中で学ぶ方が安心という人は学校という環境は向いています。
体系的に学べる環境で、将来の方向性をじっくり探したいという場合は、進学を検討しても良いのではないでしょうか。
2.独学がどうしても続かない/1人ではモチベが保てない
本や動画を見ていても、わからないところで詰まってしまったり、誰かに質問できる環境が無いと不安という人は、学習を習慣化しやすい環境が必要です。
サポートも手厚いのは間違いないですが、環境に甘えてしまうと社会に出た時に成長ができなくなってしまうので注意が必要です。
3.理論から学びたい/特定分野の研究に興味がある
「手を動かすだけ」ではなく、理論や背景も深く理解したい方や高度なエンジニアリングを目指すには深い学びが武器になります。
特に大学では数学や情報理論、データベース設計などを扱うこともあります。
AIやロボティクスなど、特定の分野に進むためには、研究室の活動や企業との連携が必要となることも多くあります。
他にもゼミやキャリアサポートなどコネクションを使って就職活動ができたり、インターンシップに参加できるという点も、学校でITを学ぶメリットの1つと言えます。
なにより、学校で学べるのは技術や知識だけの表面的なスキルだけではありません。
たとえばサークル活動やアルバイトなどでの人との関わりだったり、休みの期間を利用した海外旅行での友人とのかけがえのない経験だったり、様々なことが自分の人生を豊かにしてくれます。
そしてそのような経験がITエンジニアとして、チームの中での協調性や、相手の立場に立って物事を考える力、未知の状況にも柔軟に対応する力として活きてくるのです。
ITエンジニアの仕事は単なる技術力だけでは通用しません。人との関わりを大切にしてきた経験は、確実にあなたの武器になります。
「どう学ぶか」より「どこに向かうか」から考える
ITエンジニアを目指すなら、まず「どんな仕事なのか」を正しく知ることが不可欠です。
ただなんとなく「パソコンを使う仕事」では、将来のビジョンが描けません。
「ゲームが好きだから自分も作ってみたい」「毎日使うインターネットの仕組みを知りたい」「家電ってどうやって動いているんだろう?」そんなきっかけからITエンジニアに興味を持つケースは非常に多いです。
興味のある分野が見えてきたら、次に必要なのは、その分野で活躍するためのスキルや知識を具体的に知ること。
どんな技術が必要で、どんな能力が求められるのかを把握することで、行動の方向性が定まります。
そして何より大切なのは、実際に「作ってみる」こと。
机上の勉強だけでは、ITの世界の本当の面白さや奥深さはわかりません。
小さなものでも手を動かして試行錯誤する中で、学びが深まり、自信も育ちます。
その上で自分に合った学び方を選んでも遅くはありません。
基礎から体系的に学びたい人や、将来を見据えて資格取得を目指す人には、大学や専門学校での学習が効果的な選択肢となるでしょう。
遠回りに見えても、一つひとつの積み重ねが、将来のキャリアを形作る土台となるので、ぜひ今回の話を参考にして頂ければと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。