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IT組合の理事長から研修受講生への“贈る言葉”

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9月末、関西電子情報産業協同組合(以下、KEIS)の新人研修修了式が開催され、株式会社シーエスコミュニケーションの牧草亮輔理事長より、組合所属の企業に入社した受講生に対して祝辞が送られた。

KEISでは毎年、IT企業向けに新卒社員を対象とした合同新人研修を実施しており、今年も60名以上の新入社員が、約6ヶ月の新人研修カリキュラムを受講した。

祝辞の中で牧草は、新人が持つべき大切なマインドや、嫌な事に向き合った時でも、前向きに社会人生活を送るための秘訣を、ユーモアを交えて受講生である若者たちに伝えた。

■ITに特化した6ヶ月間の新人研修

IT業界の人材不足が叫ばれる昨今において、KEISでは以前から組合企業に向けた新人研修を実施しており、今回が15期目の開催となる。

研修では7つの習慣といった社会人のマインドや、ビジネスマナーを座学で学び、その後Javaを学ぶコース、C言語を学ぶコース、ネットワーク・サーバの基礎を学ぶコースに分かれて進んでいく。

3か月の座学の後、自社内での研修やOJTを3か月行い、6か月の研修期間をもってIT技術者としてのスキルを学ぶことができる。

学生から社会人になったばかりの若者にとっては、またとない学びの機会となっており、カリキュラムを毎年検討し改善を重ねるため、参加する企業からの評判も上がってきている。

■IT業界は新しい社会を創り支える仕事

祝辞の冒頭では、就職先にIT業界を選んだ受講生に対し「我々の仕事は、常識とされていた現状をすぐに改善改良する事ができる素晴らしいことだ」と力強く伝えた。

コロナ禍により、学校でもオンラインでの授業を経験してきた世代の若者にとって、自分たちの生活が大きく変わった事は、ITの影響による所が大きいと既に感じていることだろう。

そしてこれからも変わり続ける世の中において、IT業界で働くことは、新しい生活様式や、そのための技術を支える仕事に携わっていくことになるのだと牧草は語り、魅力あふれるIT業界に飛び込んで来てくれたことを歓迎した。

■ゴール(目的)を明確に

仕事でプロジェクトを進めるにあたって、ゴールを明確に定めて欲しいと牧草は言う。

今後、様々なプロジェクトにこれから関わっていく事になるが、果たしてゴールとはどこにあるのか?何を目指せばいいのだろうか。

そんな疑問に「プロジェクトにおいては、システムを使うユーザーや、システムの恩恵を受ける人が満足できる事こそ真のゴールである」と牧草は伝えた。

 

牧草が起業した25年前、最初は個人事業主として、一人でお客様に対してITサービスを提供していた。

そして、色々なお客様の困りごとを解決するたびに、「本当に便利になったよ、ありがとう」と感謝の言葉を頂いた。

お客様の感謝の言葉は、牧草にとって仕事のやりがいを感じるものであり、その時の嬉しさを今でも鮮明に覚えているという。

■嫌なことはきっとある

だからこそ、お客様の満足をゴールとして目指すのだが、基本的にプロジェクトには多くに人が介在する。会社の先輩・後輩、取引先企業の方、お客様側の担当者など、大きいプロジェクトほど多くの人が関わっている。

しかも、それぞれに役割、立場、権限が異なるため、友達感覚で仲良しこよしとはいかず、協調性が要求される上に、チームワークも欠かせないものとなる。

 

さらには、苦手な人や嫌な人と関わり、協力体制で仕事を進めなければならない事も多い。

避けては通れない“嫌なこと”と向き合わざるを得ないタイミングがいくらでもあるのが仕事というものだ。

それを避けるならば、仕事を辞めるしか選択肢が無いという状況もあることだろう。仕事だと割り切って我慢する忍耐力も求められる事もある。

牧草自身も25年間の経営者人生の中で、幾度となく嫌なことを我慢し耐えてきた。

「本当は理事長の立場も我慢してやっているんです」と、組合の理事長という立場の大変さを語る姿に、会場からは笑いが起きていた。

■“ドM”になって我慢しなくていい

さらに牧草は、「嫌なことから逃げないでほしい」と伝える一方で、「でもドMになって我慢しろということではありません。“嫌だ”と感じたり思ってる事こそ、成長のチャンスなのです」と言う。

嫌なことを自分にとって乗り越える壁だと思って、立ち向かっていけるかが、成長できる人とできない人を隔てる大きな違いということだ。

これから数々の嫌なことに出会う中で、自分の成長につながると信じて前向きに耐えることの必要性を語っていた。

■不安を打ち消すためには

そんな話を聞いている受講生たちの中には「これから嫌なことがいっぱいな社会人生活をおくるのか」と不安になった者もいるかもしれない。

だが、牧草はそんな仕事に対する不安な気持ちを解消する方法があるという。

「それは皆さんが研修でやってきた勉強です。学んだ事や経験したことが自分の中に蓄えられ自信になるんです」

今までの研修で学んだことも、自信の糧として有効に活用し、これからも机の上の勉強だけでなく、様々な経験から学ぶことを続けて欲しいと受講生に伝えた。

 

20分ほどの祝辞を、受講生の多くは真剣な眼差しで聞いていた。

期待と不安が織り交ざった気持ちを抱えながら、理事長の話を聞いてどんな風に感じただろうか。

これからIT業界で活躍する若者たちの人生が、仕事によって充実したものになる事を願いたい。

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