企業のアカウント管理とは ActiveDirectoryとEntraIDについて

社員数が増えるにつれて、 入社した社員のアカウントを作成する 異動した社員の権限を変更する 退職した社員のアカウントを停止する パスワードや認証情報を管理する 利用できるシステムやデータを適切に制御する など、アカウント管理の業務は複雑になっていきます。
そこでよく利用されているのが、Active Directory(AD)とMicrosoft Entra ID(旧Azure Active Directory)です。
本記事では、企業のアカウント管理という視点から、Active DirectoryとMicrosoft Entra IDの役割や違いについて、
初心者にも分かりやすく解説します。
企業のアカウント管理とは?なぜ重要なのか
企業では、社員がパソコンや業務システム、クラウドサービスなどを利用するために、さまざまなアカウントが使われています。
例えば、
- Windowsパソコンへのログイン
- ファイルサーバーへのアクセス
- Microsoft 365の利用
- メールの利用
- 業務システムへのログイン
- クラウドサービスの利用
などです。
アカウント管理で重要なのは、「誰が、どのシステムを、どこまで利用できるのか」を適切に管理することです。
入社・異動・退職時のアカウント管理
社員が入社した場合は、必要なアカウントを作成し、業務に必要な権限を設定します。
部署異動があれば、所属に応じて権限を変更する必要があります。
また、退職した社員については、不要になったアカウントを速やかに停止することが重要です。
アカウントを適切に管理できていないと、業務上必要のない情報へアクセスできてしまったり、セキュリティ上のリスクにつながったりする可能性があります。
そのため、アカウント管理は、情報漏洩防止など、企業のセキュリティ対策としても重要な業務です。
Active Directoryとは?
Active Directory(AD)は、主に企業の社内ネットワーク環境で、ユーザーやパソコン、グループなどを一元管理するための仕組みです。
特にWindowsを中心とした企業環境で広く利用されています。
例えば、社員が会社のパソコンにログインするとき、Active Directoryで管理されているユーザーアカウントを利用することで、社内のIT環境を一元的に管理できます。
Active Directoryでできること
代表的な機能として、
- ユーザーアカウントの管理
- パソコンやサーバーの管理
- グループによるユーザー管理
- パスワードポリシーの設定
- 社内リソースへのアクセス制御
- グループポリシーによるPC設定の一元管理
などがあります。
例えば、「営業部」「総務部」「情報システム部」といったグループを作り、それぞれのグループに応じて利用できるファイルやシステムを設定することができます。
Active Directoryは、簡単にいうと、
「社内のユーザーやパソコン、IT環境をまとめて管理する仕組み」
と考えると分かりやすいでしょう。
Microsoft Entra IDとは?
Microsoft Entra IDは、Microsoftが提供するクラウドベースのID・アクセス管理サービスです。
以前はAzure Active Directory(Azure AD)という名称でしたが、現在はMicrosoft Entra IDという名称になっています。
Microsoft 365などのクラウドサービスを利用する企業にとって、重要なID管理の基盤となっています。
Microsoft Entra IDでできること
Microsoft Entra IDでは、
- Microsoft 365のユーザー管理
- クラウドサービスへのアクセス管理
- 多要素認証(MFA)
- シングルサインオン(SSO)
- 条件付きアクセス
- ユーザーやグループの管理
- クラウドアプリへのアクセス制御
などが可能です。
例えば、社員がMicrosoft 365を利用するときに、Microsoft Entra IDによってユーザーの認証やアクセスを管理できます。
テレワークやクラウドサービスの利用が一般的になった現在では、「社内ネットワークの中だけを守る」のではなく、「ユーザーのIDを適切に管理する」ことが重要になっています。
Active DirectoryとMicrosoft Entra IDの違い
Active DirectoryとMicrosoft Entra IDは、どちらもユーザーやアクセスを管理するために利用されますが、得意とする環境や役割が異なります。
| Active Directory | Microsoft Entra ID | |
|---|---|---|
| 主な環境 | 社内・オンプレミス | クラウド |
| 主な用途 | 社内PC・サーバーなどの管理 | クラウドサービスのID・アクセス管理 |
| 主な対象 | ユーザー、PC、サーバーなど | ユーザー、グループ、クラウドアプリなど |
| 代表的な利用例 | Windowsログオン、ファイルサーバー | Microsoft 365、SSO、MFA |
| 管理基盤 | 社内のドメイン環境 | Microsoftのクラウド |
ただし、Active DirectoryとMicrosoft Entra IDは、必ずしもどちらか一方を選択するものではありません。
企業によっては、社内環境ではActive Directory、クラウド環境ではMicrosoft Entra IDを利用し、それぞれを連携させるケースもあります。
例えば、
社員 → PCへログイン → 社内システムを利用 → Microsoft 365を利用
という環境を構築し、それぞれの認証やアクセス管理を適切に行います。
重要なのは、単にアカウントを作成することではありません。
入社 → アカウント作成 → 権限設定 → 異動 → 権限変更 → 退職 → アカウント停止
というアカウントのライフサイクル全体を管理することが大切です。
企業のセキュリティに直結する重要な運用設計になります。
まとめ|企業のアカウント管理を適切に行うには
Active Directoryは、主に企業の社内環境において、ユーザーやパソコン、サーバーなどを一元管理するために利用されています。
一方、Microsoft Entra IDは、クラウド環境におけるユーザーの認証やアクセス管理を行うサービスです。
なお、Azure Active Directoryは現在「Microsoft Entra ID」という名称に変更されています。
企業のIT環境では、社内のActive DirectoryとMicrosoft Entra IDの両方を利用するケースも増えています。
そのため、
「誰が」「どのシステムを」「どの権限で」「いつまで利用できるのか」
を適切に管理することが重要です。
特に、入社・異動・退職に伴うアカウントの作成・変更・停止を確実に行うことは、業務効率だけでなくセキュリティ対策にもつながります。
アカウント管理をITの専門スタッフに任せるという選択肢
「アカウントの作成や削除に手間がかかる」
「Active Directoryを管理できる担当者がいない」
「Microsoft Entra IDの設定がよく分からない」
「退職者のアカウント停止など、管理漏れが心配」
このような課題を抱えている企業も少なくありません。
IT担当者の負担を減らし、安定したIT環境を維持するためには、アカウント管理を含めたITヘルプデスク・IT運用支援サービスを活用することも有効です。







